5月も下旬となり、日中は半袖で過ごせるほど暑い日が増えてきましたね。もうすぐジメジメとした梅雨もやってきます。季節の変わり目ですが、皆さま体調は崩されていませんでしょうか。
まえだ小児科医院の院長、前田です。
この時期から夏にかけて、小児科の待合室で急に増え始めるのが、いわゆる「夏風邪」を引いたお子様たちです。冬の風邪とは少し違い、夏風邪のウイルスは高温多湿を好むため、これからの時期に一気に活発になります。
今回は、親御さんなら一度は耳にしたことがある初夏の「三大夏風邪」——手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱について、それぞれの症状の見分け方や、ご家庭でできるケアの方法を詳しく解説します。
初夏の三大夏風邪、それぞれの特徴と見分け方
夏風邪の多くは、お腹の調子を崩したり、喉に強い痛みが出たりするのが特徴です。代表的な3つの病気の違いを見ていきましょう。
1. 手足口病(てあしくちびょう)
その名の通り、手、足、口の中に水ぶくれのような小さな発疹ができる病気です。おしりや膝の裏に発疹が出ることもよくあります。
- 熱の高さ:発熱しないことも多く、出ても38度以下の微熱で済むケースがほとんどです。(※ただし個人差はあります)
- 特徴:口の中の発疹が痛んで不機嫌になったり、よだれが増えたりします。発疹自体はかさぶたにはならず、数日〜1週間程度で自然に消えていきます。
2. ヘルパンギーナ
手足口病と似ていますが、発疹が出る場所と熱の高さが異なります。ヘルパンギーナは突然の高熱と、喉の奥の水ぶくれが特徴です。
- 熱の高さ:突然39度〜40度近い高熱が出ます。熱は2〜3日で下がることが多いです。
- 特徴:喉の奥(口蓋垂の周り)に小さな水ぶくれがいくつもでき、それが破れて潰瘍になるため、唾を飲み込むのも辛いほどの激しい痛みを伴います。痛みのあまり泣き叫んだり、水分を摂りたがらなくなるお子様が多いのが特徴です。
3. プール熱(正式名称:咽頭結膜熱)
アデノウイルスというウイルスが原因で起こります。昔はプールの水を介して感染することが多かったため「プール熱」と呼ばれますが、プールに入らなくても飛沫や接触で普通に感染します。
- 熱の高さ:39度以上の高熱が、長ければ4〜5日と比較的長く続きます。
- 特徴:高熱に加え、強い喉の痛み(赤く腫れる)、そして結膜炎(目の充血や、目を開けられないほどのひどい目やに)が出るのが最大の特徴です。この「熱・喉・目」の3つの症状が揃った場合はプール熱の可能性が高いです。
【重要】喉が痛くてご飯を食べない…おうちでの食事と水分補給のコツ
これら三大夏風邪に共通しているのは、「口や喉に痛みが出る」ということです。親御さんから「痛がってご飯を全く食べてくれないんです…」とご相談を受けることがとても多くあります。
喉が痛い時は、無理にご飯(固形物)を食べさせる必要はありません。数日間なら栄養が偏っても大丈夫です。一番大切なのは「脱水症状を防ぐための水分補給」です。喉への刺激が少なく、お子様が「これなら食べられる・飲める」というものを与えてあげてください。
おすすめの食べ物・飲み物
- 冷ましたスープ(ポタージュや味噌汁の上澄みなど)
- ゼリー、プリン、アイスクリーム
- 冷やしたお豆腐(絹ごし)、茶碗蒸し
- 麦茶、経口補水液、イオン飲料(少しずつこまめに)
避けたほうがよい食べ物
- 酸味の強いもの(オレンジジュース、トマト、お酢など)は傷口にしみて激痛が走ります。
- 塩分が強いもの、香辛料などの刺激物
- 熱いもの(少し冷まして、人肌や常温にしてから与えてください)
- パサパサして飲み込みにくいもの(クッキーやパンなど)
脱水症状のサインに気をつけて!
どうしても水分を摂ってくれず、以下のような「脱水のサイン」が見られる場合は、診療時間内であれば迷わず当院を受診してください。夜間や休日の場合は救急の受診も検討が必要です。
- おしっこの回数が極端に減った、半日以上おしっこが出ていない
- 泣いているのに涙が出ていない
- 口の中がカラカラに乾いている
- ぐったりして遊ぶ元気がない、ウトウトしてばかりいる
いつから保育園・幼稚園に行ける?登園の目安
症状が落ち着いてくると、「いつから登園させていいのかしら?」と悩みますよね。病気によって基準が少し異なります。
【手足口病・ヘルパンギーナの場合】
熱が下がり、口の痛みがなくなって「普段通りの食事が摂れるようになれば」登園可能です。特別な治癒証明書は必要ないことが多いですが、園によっては求められる場合もあるのでご確認ください。(※発疹が少し残っていても、全身状態が良ければ登園可能です)
【プール熱の場合】
プール熱(アデノウイルス)は感染力が非常に強いため、学校保健安全法という法律で出席停止期間が定められています。「熱や喉、目の症状がすべて消えてから、2日を経過するまで」はお休みしなければなりません。また、登園を再開する際には医師が記入する「登園許可証(意見書)」が必要になります。
おわりに:看病する親御さんご自身の体調にも気をつけて
お子様が熱を出して不機嫌になり、夜も眠れずに泣き続ける姿を見るのは、親御さんにとっても本当に辛く、体力的にも精神的にも大きな負担がかかりますよね。本当にお疲れ様です。
そして注意していただきたいのは、夏風邪のウイルスは大人にもうつるということです。大人が手足口病などに感染すると、子ども以上にひどい発疹や痛みが出ることがあります。お子様の食べ残しを食べない、おむつ替えの後はしっかり石鹸で手を洗うなど、ご家庭内での感染対策にも気をつけてくださいね。
「水分が取れていない気がする」「熱がなかなか下がらない」など、ご自宅での看病で不安なことがあれば、決して一人で抱え込まず、行徳・妙典の「まえだ小児科医院」へご相談ください。私たちと一緒に、この夏を元気に乗り切っていきましょう!
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