9月に入り、朝晩は少しずつ涼しさを感じる日も出てきましたね。ただ、日中はまだ残暑が厳しく、エアコンを使いながら過ごしているご家庭も多いのではないでしょうか。
みなさんこんにちは、まえだ小児科医院の院長の前田です。
今年は、例年よりかなり早い時期にインフルエンザの流行が始まっています。厚生労働省の発表では、2026年第34週、8月17日から8月23日の全国の定点当たり報告数が1.11となり、流行開始の目安である1.00を上回りました。今回の流行入りは、感染症法が施行された1999年以降、2009年に次いで2番目に早い流行入りとされています。
参照元:厚生労働省「インフルエンザの発生状況をお知らせいたします(令和8年8月28日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/001742996.pdf
さらに、厚生労働省が9月11日に公表した2026年第36週、8月31日から9月6日のデータでは、全国の定点当たり報告数は3.29、千葉県では5.49となっています。第36週の情報は、実際には約1週間前の状況をまとめたものですので、夏休み明けで学校や園での接触が増えている現在は、さらに感染が広がっている可能性も念頭に置いておきたいところです。
参照元:厚生労働省「インフルエンザの発生状況をお知らせいたします(令和8年9月11日)」
https://www.mhlw.go.jp/content/001748443.pdf
夏休み明けは、子ども同士の接触が増える時期です
夏休みが終わると、学校、幼稚園、保育園、習い事、部活動などで、子どもたちは多くのお友だちと同じ空間で過ごすようになります。久しぶりに会うお友だちと近い距離で話したり、給食や休み時間を一緒に過ごしたりすることで、感染症が広がりやすくなります。
市川市・行徳・南行徳・浦安エリアでも、通園・通学、電車やバスでの移動、習い事など、人と接する機会は少なくありません。インフルエンザは、咳やくしゃみなどの飛沫、ウイルスが付いた手で目・鼻・口に触れることなどで感染することがあります。体調がいつもと違う時は、無理をせず早めに休ませることが大切です。
インフルエンザでみられやすい症状
インフルエンザは、普通の風邪に比べて急に症状が出ることが多い感染症です。38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、強いだるさなどが目立つことがあります。喉の痛み、鼻水、咳、腹痛、嘔吐などを伴うこともあります。
小さなお子さまの場合は、「頭が痛い」「体がだるい」と上手に言えないこともあります。いつもより元気がない、食欲がない、機嫌が悪い、眠ってばかりいる、ぐったりしているといった様子があれば、体調の変化として注意して見てあげてください。
家庭でできる基本の感染対策
インフルエンザを完全に防ぐことは難しいですが、家庭でできる基本的な対策を積み重ねることで、感染の広がりを抑える助けになります。まず大切なのは、外から帰った後、食事の前、トイレの後の手洗いです。流水と石けんで、手のひら、手の甲、指の間、爪の周り、手首まで丁寧に洗いましょう。
- 帰宅後、食事前、トイレの後は手洗いをする
- 咳やくしゃみがある時は、マスクや咳エチケットを意識する
- 体調が悪い時は、無理に登園・登校させない
- 部屋の換気をこまめに行う
- 睡眠と食事をしっかり取り、疲れをためない
- 人が多い場所に行く時は、体調や流行状況に応じてマスクも検討する
参照元:厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2025.html
タオルの使い回しは避け、ペーパータオルも活用しましょう
ご家庭内で意外と見落としやすいのが、手洗い後のタオルです。せっかく手を洗っても、家族みんなで同じタオルを何度も使っていると、体調不良の方がいる時には感染を広げるきっかけになることがあります。
特に、家族の中に発熱、咳、鼻水、喉の痛みがある方がいる時は、洗面所やトイレ、キッチンのタオルを共有しないようにしましょう。可能であれば、ペーパータオルなどの使い捨てを使う、または一人ひとり専用のタオルに分けると安心です。
- 体調不良の家族がいる時は、タオルを共有しない
- 洗面所やトイレの手拭きタオルは、こまめに交換する
- 可能であれば、ペーパータオルなど使い捨てのものを活用する
- タオルを使う場合は、家族ごとに分けて使う
参照元:東京都感染症情報センター「インフルエンザ対策のポイント」
https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/flu/point/
残暑のエアコン使用中は、換気と湿度にも気をつけましょう
涼しくなってきたとはいえ、日中はまだ暑く、エアコンを使う日も多いと思います。エアコンをつけていると窓を閉め切りがちになり、空気がこもりやすくなります。暑さ対策はとても大切ですが、感染症対策としては、無理のない範囲で換気も意識しましょう。
また、エアコンの使用や空気の乾燥によって、喉や鼻の粘膜が乾きやすくなることがあります。厚生労働省の情報では、乾燥しやすい室内では加湿器などを使い、適切な湿度として50〜60%を保つことも効果的とされています。加湿器を使う場合は、カビや雑菌が増えないよう、こまめな掃除も忘れないようにしましょう。
参照元:政府広報オンライン「インフルエンザの感染を防ぐポイント」
https://www.gov-online.go.jp/article/200909/entry-8422.html
まえだ小児科医院でもインフルエンザ予防接種を承っております
インフルエンザは、流行が本格化してから対策を始めるよりも、早めに準備をしておくことが大切です。まえだ小児科医院では、早くもインフルエンザの予防接種を承っております。
ワクチンを接種したからといって、インフルエンザに絶対にかからないというわけではありません。しかし、感染した場合の重症化を防ぐことが期待されており、小さなお子さまやご家族を守るための大切な予防策のひとつです。
今年は例年より早く流行期に入っているため、「まだ早いかな」と思わず、接種の時期について早めにご検討いただくことをおすすめします。特に、保育園・幼稚園・学校に通っているお子さま、きょうだいがいるご家庭、受験や行事を控えているお子さまは、早めの予防を意識しておくと安心です。
接種の対象年齢や予約方法、接種回数などについては、お子さまの年齢や状況によって異なる場合があります。ご希望の方は、当院からのお知らせをご確認いただくか、診療時にお気軽にご相談ください。
早めに小児科へ相談したいサイン
発熱があっても、水分が取れていて、眠れていて、意識がはっきりしている場合は、慌てすぎず様子を見ることもあります。ただし、次のような症状がある時は、早めに小児科へご相談ください。
- 高熱が続いている
- 水分をほとんど取れない
- おしっこの回数が明らかに少ない
- ぐったりしていて反応が弱い
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている
- 何度も吐いている
- けいれんがある
- 呼びかけへの反応がいつもと違う
特に、呼吸が苦しそうな時、意識がぼんやりしている時、けいれんがある時は、夜間や休日であっても救急受診を検討してください。インフルエンザは多くの場合、数日で回復に向かいますが、小さなお子さまでは急に状態が変わることもあります。
まとめ|早い流行だからこそ、今から対策を始めましょう
今年のインフルエンザは、例年よりかなり早く流行期に入っています。千葉県でも報告数が増えており、市川市・行徳・南行徳・浦安エリアにお住まいのご家庭でも、早めの対策を心がけたい時期です。
手洗い、咳エチケット、換気、タオルの共用を避けること、必要に応じた加湿など、ご家庭でできることを一つずつ続けていきましょう。そして、インフルエンザ予防接種も、早めにできる備えのひとつです。
体調が悪い時に無理をしないことも、お子さま自身を守り、周りのお友だちやご家族を守ることにつながります。「ただの風邪かな」「インフルエンザかもしれない」「受診したほうがいいのかな」と迷う時は、一人で判断せずご相談ください。
まえだ小児科医院では、お子さまの症状やご家庭の不安に寄り添いながら診療しています。インフルエンザの予防接種をご希望の方、気になる症状がある方は、お気軽にご相談くださいね。