まえだ小児科医院
千葉県市川市
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千葉県 市川市 行徳,小児科,幼児・子供のアトピーやアレルギー、喘息に関する悩み
まえだ小児科医院


赤ちゃんに多いアレルギー性の病気
アレルギー性の病気には多くの種類があります。
ここでは赤ちゃんと幼児に多い病気の症状や原因・予防法を紹介します。

 アトピー性皮膚炎  じんましん  ぜんそく  アレルギー性鼻炎  アレルギー性結膜炎

アトピー性皮膚炎
赤ちゃんに湿しんができると「アトピー性皮膚炎?」と心配してしまうお母さんが多いようです。
そんな気になるアトピー性皮膚炎について、症状や診断基準などを解説します。

○症状
肌がカサカサになったり、湿疹ができたりします。ひどくなると、赤くジュクジュクしてきます。
耳の付け根が切れることもあります。強いか弓を伴うのが特徴で、かきむしるので、
傷だらけになることも珍しくありません。顔をゴシゴシとこすりつけることもあります。
かゆみできげんが悪くなったり、夜も眠れないことさえあります。
湿疹が出る場所は、赤ちゃんの場合、いちばん多いのが顔と頭と首、
次にひじやひざの内側と胸のあたりです。背中など全身に広がっていくこともあります。
ただし個人差があり、湿疹の出る場所によって、アトピー性皮膚炎かどうかを判断することはできません。

○診断基準
日本皮膚科学会が作ったガイドラインによれば、
1.かゆいこと。
2.典型的な場所に典型的な湿疹があること。
   赤ちゃんの場合が、頭、顔に始まりしばしば体から手足に下降していく。
3.それが長く続いていること。赤ちゃんの場合は2ヶ月以上。
この3つを満たせばアトピー性皮膚炎と診断されます。

○紛らわしい病気
乳児湿疹との違い

アトピー性皮膚炎と乳児湿疹の見分けかたはとても難しいものです。
乳児湿疹は、生後半年くらいまでの赤ちゃんによくある症状です。
ポツポツとでる赤い湿疹は一見同じですし、場所も顔や頭に多く、アトピー性皮膚炎と似ています。
しかし、アトピー性皮膚炎にはかゆみが強く、慢性的に続くという特徴があります。
それほどかゆがるようすがなかったり、すぐ治るようでしたら、アトピー性皮膚炎ではありません。

○原因物質
病原となる原因物質は、赤ちゃんの場合、ほとんどが食べ物です。
多い順に、卵、牛乳、小麦、大豆、米となっています。中でも卵と牛乳が圧倒的に多く、
卵黄より卵白が原因物質になりやすい食べ物です。
最初は、卵に対するアレルギーだけだったのに、あとから牛乳もというように、
その子にとっての原因物質が増えていくこともあります。
幼児期になると、食べ物だけでなく、ダニやハウスダストなど呼吸によって、
あるいは皮膚からの接触によって体内に入るものが、原因物質として加わってくることがあります。

○治療法
ぬり薬と飲み薬を使用

アトピー性皮膚炎になると、皮膚の水分が失われ、カサカサになるので、この症状を和らげるために、
軟こうの保湿剤などをぬります。炎症を抑えるためには、軟こうの非ステロイド剤か、
ステロイド剤を使います。また、アレルギー反応を抑えるために、
飲み薬の抗アレルギー剤がよく使われます。かゆみを止めるための、
飲み薬の抗ヒスタミン剤を処方することもあります。
アトピー性皮膚炎は、一時的に肌の状態がよくなっても、また悪化することがあります。
かってな判断で薬をやめたりせず、根気よく治療を受けてください。

ステロイド剤の使用を心配しすぎないで
ステロイド剤は長期間使うと、皮膚がいしゅくするなどの副作用があるため、お母さんの中には、
使用を敬遠するかたもいるようです。しかし、ステロイド剤は炎症の程度が比較的重い場合でも
よく効く薬です。使用するときには、副作用にも十分注意しますので、心配しすぎないでください。

除去食は慎重に
中程度より重い症状の場合は、原因となる食べ物を離乳食から外す除去食にします。
しかし、注意したいのは、原因物質であることの多い卵や牛乳は、本来は良質なたんぱく源であるということ。親のかってな判断で除去しないでください。アトピー性皮膚炎が良くなっても、栄養失調になっては
意味がありません。医師とよく相談して進めてください。

○予防法
赤ちゃんは消化器官が未熟です。離乳食の開始が早すぎたり、進めかたを急ぎすぎると、
食べさせたものに対してアレルギー性皮膚炎につながることがあります。
離乳食は適切な時期に始め、焦らずに進めましょう。
遺伝的にアレルギーが心配な赤ちゃんは、卵黄7ヵ月、全卵9ヵ月という標準的な卵の開始時期を、
それぞれ1〜2ヵ月遅らせるといいでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎を心配するあまり、離乳食を極端に遅らせることはやめてください。
栄養面ではもちろん、かむ力を養うなど、さまざまな意味で、離乳食は赤ちゃんの成長に重要です。

○おうちでのケア
皮膚を清潔に保つ

赤ちゃんはよく汗をかきますが、汗や汚れはアトピー性皮膚炎の大敵です。
皮膚をいつも清潔に保ってあげてください。
でも、ゴシゴシ洗うのは、弱い皮膚を傷めてしまうのでよくありません。
汗をかいたらシャワーで流し、そっとふいてあげましょう。
せっけんは香料などが入っていない、刺激の弱いものを選ぶといいでしょう。
そのせっけんが肌に合うか、観察しながら使用することもたいせつです。

つめは短くする
かきむしることによって、皮膚がいっそう傷つき悪化するので、赤ちゃんのつめは常に短くしてください。
丸く切って、やすりをかけるとさらにいいでしょう。
しかし、短くしても、赤ちゃんはないつめを必死に立てて、かこうとします。
アトピー性皮膚炎はかゆくてかゆくてたまらないのです。
かくのをやめさせようと、しかってはいけません。

衣服は綿がいちばん
アトピー性皮膚炎の場合、皮膚が敏感になっています。化学繊維の刺激が悪化原因になることもあります。衣服は綿がいちばんです。着せすぎず、汗をかかせないということも心がけてください。
また、洗濯した衣服に、洗剤が残っていると、それが刺激になります。洗濯時には、十分すすいでください。

ぬり薬はよくのばして
ぬり薬は、たくさんぬれば治るものではありません。適量を手に取り、よくのばしてください。こするのはダメ。やさしくぬってあげてください。雑菌がつかないよう、おかあさんは、手を清潔に洗ってから。
複数の薬が処方された場合、どんなときに使うのか、順番はどうすればよいか、よく確認してください。
「アトピーに効く」という民間療法にはご用心!

どの子にも効くとは限らない
「アトピーに効く」という宣伝文句で、食品や漢方薬まがいのようなものを売る業者があります。
効果をうたっていますが、うのみは禁物です。仮に知り合いに効果があった子がいても、
どの子にも効くとは限りません。たまたま自然に治る時期と重なっただけかもしれません。

中には悪化するケースも
中には効果があるどころか、悪化してしまうケースも少なくありません。
断食まがいの方法を教えられ、栄養失調になった子どももいました。
アトピービジネスということばもあるくらいで、「治してやりたい」という親の気持ちにつけ入り、
法外に高い商品を勧める業者もあります。注意してください。

どんな治療法も主治医と相談して
アトピー性皮膚炎は、短期間では治らないので、つい民間療法に走ってしまうのかもしれません。
でも、信頼できる医師を見つけ、根気強く治療するのが、実はいちばんの近道です。
主治医にないしょで、別の治療法を試すようなこともしないでください。

じんましん                                        △ ページトップへ
突然皮膚が赤くなり発しん出るじんましん。おとなにも子どもにも多い病気です。
発しんのある病気はたくさんありますが、見分けかたは比較的簡単です。
じんましんの特徴とは?

○症状
皮膚が赤く、盛り上がってきます。膨らんでいるので膨しんといい、膨しんとそうでない皮膚の境界線が
はっきりわかります。体のあちこちに一度にたくさん出ることもあります。強いかゆみも併います。

○診断基準
膨しんが出ていて、原因物質が推定されれば、じんましんと診断されるでしょう。
赤ちゃんには少なく、2〜3歳から増えてきます。

○紛らわしい病気
虫刺されとの違い
虫刺されで膨しん出ることがあります。通常の虫刺されの場合、膨しんの面積は小さいのですが、
毛虫に刺された場合、比較的広い範囲に膨しんが出ます。また、かゆいところも、じんましんと似ています。違いはまず、じんましんはあとが残らないということ。虫刺されは、膨しんが引っ込んだ後も
数日間あとが残ります。また、全身いたるところに出るのもじんましんの特徴です。

○原因物質
いちばん多いのは食べ物。卵、牛乳、小麦の3大アレルゲンのほか、
そば、えびなどが原因で起こることが多いです。また、飲み薬が原因物質となることもあります。
温度の変化も原因になり、寒くなったときにできる寒冷じんましん、
暖まったときの温暖じんましんがあります。

○治療法
原因と考えられる食べ物、薬はすぐにやめ、かゆみがある場合は、
飲み薬の抗ヒスタミン剤などを処方します。
すでに膨しんが消えていれば、受診の必要はありません。

○予防法
じんましんが出たら、原因を把握しておき、次から体に入れないようにすれば予防できます。
薬が原因と考えられる場合、名称をメモしておいてください。以後、同じ薬を処方しないようにします。

○おうちでのケア
おふろには入らない
おふろに入って血行がよくなると、じんましんが悪化したり、
一度引っ込んだものが再発することがよくあります。
じんましんが出てる間、また、すでに消えていたとしても、
その日のおふろはやめましょう。

ぜんそく ■                                    △ ページトップへ
ゼーゼーと呼吸がしにくくなるぜんそく。ひどい発作が起こると命にかかわることもあり、
治療には長い時間がかかります。正しい治療法とケアを知っておきましょう。

○症状
激しくせき込んだり、「ぜいめい」というゼーゼーと音のしそうな呼吸が続く発作が起きます。
息を吸うことはできても、吐くのが難しくなり、呼吸困難を起すこともあります。
発作の程度はそのつど違い、最悪の場合には死に至ることもあります。
発作が起きる頻度はまちまちですが、比較的重症であれば月に何度も、
軽症の場合には年に数回以内です。

○診断基準
3才以上で、前述のような症状を繰り返せば、血液中のアレルギー抗体の検査をしたうえで、
ぜんそくと診断されます。ただし、症状の度合いによっては、抗体値が低くても、
総合的に見てぜんそくと診断されることもあります。

○紛らわしい病気
ぜんそく様気管支炎との違い
ぜんそく様気管支炎は、赤ちゃんがよく診断される病気です。ぜんそく同様、ぜいめいがあり、
ぜんそく予備軍のようなものと考えていいでしょう。
違うのは、ぜんそく様気管支炎が、ほとんどの場合がかぜが引き金になるのに対し、
ぜんそくは気圧の変化など、かぜ以外のことも引き金になって起こるということです。

○原因物質
原因物質で圧倒的に多いのがダニですが、ハウスダストやペットの毛もよくあるケース。
ほとんどの場合、原因物質を吸い込むことによって起こりますが、
まれに食べ物が原因になることもあります。
タバコの煙、都会の汚染された空気などは直接の原因ではありませんが、
ぜんそくの症状を悪化させる「悪化因子」になります。

○治療方法
発作が起きていないときの治療が重要な病気です。ふだんから飲み薬の抗アレルギー剤、
気管支拡張剤などを使って、発作が起きないようにコントロールします。
発作を火事に例えると、発作後1年はボヤの状態が続きます。
つまり、ちょっとしたきっかけで、また発作が起きる状態が続いているのです。
数カ月発作が起きないからといって、かってに薬をやめるようなことは絶対にしてはいけません。
治療には何年もかかるのが普通です。根気よく取り組みましょう。

○予防法
なんと言っても、部屋のダニとハウスダストを減らすことです。
これは、ぜんそくにならないことにつながるとともに、
ぜんそくの子が発作を起さないための方法にもなります。
フローリングにしたり、防ダニふとんを使用するなどの方法もありますが、
基本はまめにふとんを干し、掃除すること。
ふとんを干した後は掃除機でダニを吸い取りましょう。

○こんなときは救急車を読んで
小児ぜんそくで年間約40人のかたが亡くなっています。
呼吸数が極端に多くなる、呼吸困難、息を吐くのに時間がかかる、
チアノーゼで顔が紫色になる、ろっ骨の間が呼吸のたびに引っ込む。
こんな状態になったときには、ためらわずに救急車を呼んでください。

○おうちでのケア
発作が起きたときのケア方法をよく聞いておく
発作が起こると、親はどうしても慌ててしまいますが、適切な対処をすることで、悪化を防ぐことができます。対処法は、重症度によって違うので、どんな状態になったらどうすればよいか、
主治医によく聞いておきましょう。家庭で薬を吸入する簡単な道具もあります。
いつ発作が起きても使えるようにしておいてください。

○体を鍛えることも大事
ぜんそくで体が弱いからと、過度に過保護にしてはいけません。
状態がいいときは厚着にして適度な運動をさせてください。また、乾布摩擦も時に効果的です。
ただし、アトピー性皮膚炎を併発している子どもは、摩擦をしてはいけません。

アレルギー性鼻炎                                   △ ページトップへ
おとなでもアレルギー性鼻炎の人はたくさんいますが、子どもにも増えています。
かぜとまちがえやすいですが、これを読んで、子どものアレルギー性鼻炎を見分けてあげましょう

○症状
透明な水っぽい鼻水鼻水が出るほか、鼻が詰まり、鼻のかゆみがあり、くしゃみが出ます。
それが慢性的に続きます。

○診断基準
鼻水が慢性的に出るか、などを問診したうえで、症状が重い場合は血液検査を行い、
アレルギー抗体があればアレルギー性鼻炎を判断されます。

○紛らわしい病気
かぜとの違い
鼻水、くしゃみは、ウィルスが原因の感染症であるかぜの典型的な症状でもあります。
アレルギー性鼻炎の鼻水は透明のままずっと続くのに対し、
かぜの鼻水はしだいに黄色くドロッとしてきます。

○原因
子どもに多いのは、圧倒的にダニやハウスダストですが、
花粉が原因のケースも最近、増えてきているようです。
2〜3月に飛ぶスギ花粉だけではなく、夏のブタクサなどの花粉が原因物質となることもあります。

○治療法
症状によって、アレルギーを抑える抗アレルギー剤ののみ薬や点鼻薬、
鼻詰まりをしずめる欠陥収縮剤などがよく使われます。

○予防法
原因物質を吸わないよう、住環境を整えます。
アトピー性皮膚炎、ぜんそくの子どもは、アレルギー性鼻炎になる可能性も高いので、
それぞれの病気をしっかり治療することが大事です。

○おうちでのケア
原因によってはマスクを使用
花粉が原因の場合は、花粉の季節は外出を控えたり、マスクを使用することで症状を抑えられます。

アレルギー性結膜炎                                 △ ページトップへ
目が真っ赤に充血する結膜炎にはアレルギー性のものもあります。
聞きなれない病気かもしれませんが、子どもに多いアレルギー症状のひとつ。
特徴を覚えておきましょう。

○症状
目の充血、まぶたのはれ、目やになどです。
かゆみを伴うので、子どもの場合ゴシゴシこすって悪化させがちです。

○診断基準
涙や目やにを検査して、白血球の一種である好酸球が見つかれば、
アレルギーが原因の結膜炎であるとわかります。3才くらいからの病気です。

○紛らわしい病気
アレルギー性ではない結膜炎との違い
アレルギー性ではない結膜炎には、流行性結膜炎、いん頭結膜炎(プール熱)などがあります。
充血、目やになどの症状はアレルギー性結膜炎と同じなので、間違えやすいようです。
最大の違いは、アレルギー性結膜炎はうつらないことです。また、熱は出ません。
いん頭結膜炎は最初に熱が出ます。

○原因物質
ダニや花粉が多いようです。空気中を浮遊する原因物質が、目に入ったり、
手について目をこすったときに結膜につくことで起こります。

○治療法
主に抗アレルギー剤の目薬を使います。
重症の場合には、炎症を抑えるステロイド点眼剤を使うこともあります。
目薬で効果がない場合、抗アレルギー剤の飲み薬を使うこともあります。

○予防法
花粉が原因の場合、おとなはゴーグルなどで入らないように予防できますが、
子どもの場合、難しいでしょう。外出を控えるなどのもひとつの方法です。
ダニが原因なら、よく掃除することです。

○おうちでのケア
手は清潔にしておく
かゆいので目をこすると、新たに細菌も入ってしまいます。
子どもの場合、それで悪化することも珍しくありません。
手はせっけんで洗って、いつも清潔にさせてください。