インフルエンザ感染中の過ごし方について
こんにちは。まえだ小児科医院の前田です。今回は、お子様がインフルエンザに感染した際のご家庭での過ごし方について、保護者の皆さまへ向けて優しく分かりやすくお伝えしたいと思います。インフルエンザは高熱やだるさ、食欲低下など、子どもにとってつらい症状が続く病気です。しっかりケアしてあげることで回復がスムーズになり、安心して療養できる環境を整えることができます。心配や不安を抱えながら看病されている保護者の方に、少しでもお役に立てば嬉しいです。
まずは十分な休息をとりましょう
インフルエンザにかかった時に最も大切なのは「体を休めること」です。高熱が続くと体のエネルギーが大きく消耗され、普段よりも疲れやすくなります。お子さんが安心して横になれるよう、静かで落ち着いた環境を整えてあげてください。お気に入りの毛布やぬいぐるみを近くに置いてあげると、気持ちも安らぎやすくなります。テレビやスマホなどの刺激が強いものはなるべく控え、ゆったりと過ごせる時間をつくることがポイントです。
水分補給はこまめに、少しずつ
インフルエンザ中は、発熱や汗、食事量の低下により水分が不足しやすくなります。脱水症状を防ぐためにも、お子さんが飲みやすいものを少しずつこまめに与えてください。お茶や白湯、経口補水液などがおすすめです。一度にたくさん飲めなくても大丈夫ですので、数回に分けてゆっくり補給していきましょう。また、乳幼児の場合は、飲む量が極端に少なくなっていないか、おしっこの回数が減っていないかなどにも注意してあげてください。
お薬は指示通りに使用しましょう
インフルエンザの診断を受け、抗インフルエンザ薬が処方された場合は、指示に従って正しく使ってください。これらのお薬は、発症してから早めに使うことで効果を発揮しやすいため、飲み忘れや自己判断での中止は避けましょう。また、市販の解熱剤などを併用する際には注意が必要な場合がありますので、分からないことがあれば遠慮なく医療機関へご相談ください。お薬が苦手なお子さんも多いですが、無理のない方法で少しずつ飲ませてあげる工夫をしていきましょう。
食欲がない時は無理に食べさせなくて大丈夫
熱が高い間は、食欲が落ちるのは自然なことです。無理に食べさせようとするとかえって負担になることがありますので、まずは水分を最優先にしましょう。食べられるようになってきたら、消化の良いものから少しずつ再開してください。おかゆ、うどん、果物など、やわらかいものがおすすめです。食べる量が少なくても、体調が回復してくると自然に食欲が戻ってくることが多いので、焦らず見守ってください。
家庭内での感染対策も忘れずに
お子さんが安心して療養できるようにすることに加え、家族への感染を広げないような対策も意識していきましょう。手洗いの徹底、加湿&換気、マスクの着用は基本的な感染予防になります。また、お子さんが触れた場所をこまめに拭いたり、タオルの共有を避け、手洗い後の手を拭くのを使い捨てのペーパータオルにすることも効果的です。
熱が下がっても無理は禁物です
熱が下がるとつい「もう大丈夫かな」と思ってしまいがちですが、インフルエンザは体力が戻るまでに時間がかかることがあります。学校や幼稚園、保育園への復帰は、決められた登校基準とお子さんの様子を見ながら慎重に判断してください。元気そうに見えても、急に無理をすると再度体調を崩すことがありますので、ゆっくりペースを戻していきましょう。
まとめ
お子さんがインフルエンザにかかると心配が尽きないものですが、保護者の皆さまの優しいサポートが大きな力になります。無理をせず、安心できる環境でゆっくり回復を待ってあげてくださいね。何かご不安なことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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