ゼーゼーと呼吸がしにくくなるぜんそく。ひどい発作が起こると命にかかわることもあり、治療には長い時間がかかります。正しい治療法とケアを知っておきましょう。
喘息とは
喘息とは、気道の慢性炎症を特徴として、発作性に起こる起動狭窄により、咳、呼気性喘鳴(息を吐くときのゼーゼー)、呼吸困難を繰り返す疾患です。これらの症状は自然ないし治療により軽快、消失しますが、極まれには死に至る場合もあります。
基本的には気道の慢性の炎症であり、気道の過敏性が生じます。
気道過敏性に影響を与える因子としては、冷気、タバコや花火の煙、気候の変化などです。
診断
臨床診断には、反復する発作性の喘鳴や呼吸困難、可逆的な気流制限、気道過敏性亢進、気道炎症を確認することに加えて、喘息意外の疾患を除外することが重要です。実際にはアレルギー素因(家系にアレルギー疾患の人がいるかどうか)、臨床症状(咳、喘鳴)、診察所見、アレルギー検査などの検査所見を参考にして診断します。
原因物質
小児では、いわゆるアトピー型喘息といわれるタイプの喘息が多く、その原因としてハウスダスト、家ダニなどの抗原物質が多く見受けられます。また、非アトピー型喘息の原因としては、タバコ、花火の煙、気候の変化、運動などが挙げられます。ただ実際には、原因が複合的に関与している場合も多く見受けられます。
治療方法
治療としては、大きく分けて①長期管理、②発作の治療、の二つが挙げられます。長期管理について言えば、喘息の重症度に応じて、四段階に分かれており、それぞれの段階について、ロイコトリエン受容体拮抗薬、吸入ステロイドなどが使用されます。
また、発作の治療についていえば、気管支拡張剤の吸入、内服、貼付薬が用いられます。その他に一般的な発作予防策としては、肉体の鍛錬(水泳、エクササイズなどの運動)、自律神経機能の鍛錬(冷気浴、乾布摩擦など)があげられます。
予防法
なんと言っても、部屋のダニとハウスダストを減らすことです。
これは、ぜんそくにならないことにつながるとともに、ぜんそくの子が発作を起さないための方法にもなります。
フローリングにしたり、防ダニふとんを使用するなどの方法もありますが、基本はまめにふとんを干し、掃除すること。
ふとんを干した後は掃除機でダニを吸い取りましょう。
こんなときは救急車を読んで
小児ぜんそくで年間約40人のかたが亡くなっています。
呼吸数が極端に多くなる、呼吸困難、息を吐くのに時間がかかる、チアノーゼで顔が紫色になる、ろっ骨の間が呼吸のたびに引っ込む。
こんな状態になったときには、ためらわずに救急車を呼んでください。
おうちでのケア
発作が起きたときのケア方法をよく聞いておく
発作が起こると、親はどうしても慌ててしまいますが、適切な対処をすることで、悪化を防ぐことができます。対処法は、重症度によって違うので、どんな状態になったらどうすればよいか、主治医によく聞いておきましょう。家庭で薬を吸入する簡単な道具もあります。
いつ発作が起きても使えるようにしておいてください。
体を鍛えることも大事
ぜんそくで体が弱いからと、過度に過保護にしてはいけません。
状態がいいときは厚着にして適度な運動をさせてください。また、乾布摩擦も時に効果的です。
ただし、アトピー性皮膚炎を併発している子どもは、摩擦をしてはいけません。