病院がお休みの年末年始・お正月をどう乗り切る?発熱や喘息・アレルギーへの対処法

街中もすっかりクリスマスのイルミネーションやお正月の準備で賑わいを見せ、いよいよ年の瀬が迫ってまいりました。
寒さも一段と厳しくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

こんにちは。行徳にあります「まえだ小児科医院」、院長の前田正人です。

私たち医療従事者にとっても、そして何より小さなお子様を持つ保護者の皆様にとっても、「病院がやっていない年末年始」というのは少しドキドキする期間ですよね。
「もしお正月に熱を出したらどうしよう」「喘息の発作が起きたら…」そんな不安を少しでも解消できるよう、今回は冬休みの過ごし方と、万が一の時の対処法についてお話しします。

まずは「備え」の確認を!お薬の残量は大丈夫ですか?

楽しいお正月を過ごすために一番大切なのは、事前の準備です。
特に行徳周辺の病院や薬局も、年末年始は長期のお休みに入るところがほとんどです。

当院でも、小児科・アレルギー科として多くのお子様を診ていますが、定期的に飲んでいるお薬がある場合は、必ず年内に受診をしてお薬を確保してください。

  • 喘息の吸入薬・予防薬
  • アレルギー性鼻炎のお薬
  • 保湿剤などの皮膚科薬

これらが切れてしまうと、症状が悪化した時にご自宅での対応が難しくなります。「あと数日分あるから大丈夫」と思わず、余裕を持って年内の最終診療日までにいらしてくださいね。

もしも年末年始に「発熱」してしまったら

子供はイベントの時ほど、興奮や疲れから熱を出しやすいものです。
夜間や休日に熱が出ると慌ててしまうかと思いますが、まずは落ち着いてお子様の様子を観察しましょう。

慌てずにお家でできるケア

発熱は体がウイルスと戦っている証拠ですので、無理に熱を下げることがすべてではありません。
以下のポイントをチェックしてみてください。

  • 水分は摂れていますか?(少量ずつこまめに与えましょう)
  • おしっこは出ていますか?
  • 眠れていますか?
  • 顔色は悪くないですか?

水分が摂れていて、あやせば笑う、あるいは眠れているようであれば、一晩様子を見て翌朝に救急診療所などを検討しても大丈夫なケースが多いです。
解熱剤(座薬など)をお持ちの場合は、辛そうで眠れない時などに使用して一時的に楽にしてあげるのも良いでしょう。

すぐに病院(救急)に行くべきサイン

ただし、以下のような場合は迷わず救急外来や相談ダイヤルを利用してください。

  • 生後3ヶ月未満の発熱
  • 水分が全く摂れず、半日以上おしっこが出ない
  • 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、肋骨の間がペコペコ凹む)
  • 呼びかけても反応が鈍い、意識がはっきりしない
  • けいれんが5分以上続く

喘息・アレルギー持ちのお子様への注意点

私が専門とするアレルギーの分野でも、年末年始は注意が必要です。

お掃除や帰省がトリガーになることも

年末の大掃除での「ホコリ」、帰省先での「ペットの毛」や「タバコの煙」、冷たく乾燥した空気などが刺激となり、喘息発作やアレルギー症状が出やすくなります。
おじいちゃんおばあちゃんのお家に行く際は、事前にタバコを控えてもらうようお願いしたり、マスクを着用するなどの対策をしましょう。

薬が切れてしまった場合の対処

もし万が一、連休中に喘息のコントロール薬が切れてしまい、咳が出始めた場合はどうすべきか。
吸入薬がない状態で発作が起きると非常に危険です。

まずは、上半身を起こして座らせ、水分を少しずつ摂らせて加湿をしてください。それでも咳が止まらず、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音が聞こえる、あるいは横になって眠れないレベルであれば、薬がないことを理由に我慢せず、必ず救急病院を受診してください。
喘息発作は時間との勝負になることもあります。「お正月だから」と遠慮する必要はありません。

困ったときの相談先リスト

行徳地域にお住まいの方が、年末年始に利用できる情報をまとめておきます。

  • 市川市急病診療所(047-377-1222:必ず電話で確認してから受診しましょう。
  • こども医療でんわ相談(#8000:夜間、病院に行くべきか迷った時に、看護師さんや小児科医のアドバイスが受けられます。携帯電話や固定電話(プッシュ回線)から「#8000」を押すだけで利用でき、相談は毎日19時から翌朝8時まで(一部地域・時間延長あり)実施されており、あくまで電話でのアドバイスで診断・治療はできない点には注意が必要です。

最後に

年末年始は生活リズムが崩れがちですが、早寝早起きと手洗い・うがいを心がけ、家族みんなで元気に新しい年を迎えましょう。
何か心配なことがあれば、年内の診療日にお気軽にご相談くださいね。

本年も大変お世話になりました。来年も、まえだ小児科医院をどうぞよろしくお願いいたします。

この記事の編集者

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まえだ小児科の院長の前田正人(まえだまさと)です。 当サイトの記事は私が執筆・監修をしております。 何か気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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