百日咳が流行中!喘息と何が違う?

こんにちは!今回は「百日咳(ひゃくにちぜき)」と「喘息(ぜんそく)」の違いについてご紹介します。
どちらも“咳が長引く病気”として知られていますが、原因も治療法も大きく異なります。

特に大人や子どもが長期間咳をしていると「風邪が長引いてるのかな」「喘息っぽい?」と自己判断してしまいがち。でも実は、百日咳だったというケースもあるんです。

■ 咳が続く…原因は「百日咳」?それとも「喘息」?
まずは、それぞれの病気の特徴から見てみましょう。

◯ 百日咳とは?
百日咳は、「ボルデテラ・パータスシス」という細菌による感染症です。名前の通り、咳が何週間~3か月以上も続くのが特徴です。はじめは風邪のような症状で始まり、次第に「コンコンコン…ヒューッ」といった発作的な咳に変わります。息を吸い込むときに「ヒュー」という音がすることから、特有の音で気づかれることも。

子どもがかかる病気と思われがちですが、大人もかかります。そして、大人の場合は典型的な症状が出にくく、単なる「長引く咳」と思われがち。周囲にうつしてしまうリスクもあります。

◯ 喘息とは?
喘息は、ウイルスやアレルゲン(ダニ・花粉・ホコリなど)などが原因で、気道に炎症が起き、空気の通り道が狭くなる病気です。咳だけでなく、呼吸時にゼーゼー・ヒューヒューという音(喘鳴)や、息苦しさが伴うのが特徴です。

慢性的な病気で、季節や気候、運動、ストレスによって悪化しやすく、小児期から持っている人も多いです。

■ 症状の違いを比べてみよう
百日咳と喘息は、いずれも「咳が続く」という共通点がありますが、その原因や症状には明確な違いがあります。

まず、百日咳は細菌感染(ボルデテラ・パータスシス)によって起こる感染症であり、発作的な連続咳が特徴的です。咳の発作が続いた後、息を吸い込むときに「ヒューッ」という音がすることもあり、特有の咳として知られています。咳は数週間から3か月以上にわたって続くことがあり、初期には微熱が出ることもありますが、咳が主な症状です。痰はあまり出ず、飛沫感染により他人にうつる可能性が高いのも特徴です。

一方、喘息はアレルギーや炎症によって気道が狭くなることで起こる慢性的な病気です。咳だけでなく、息をするときにゼーゼー・ヒューヒューといった「喘鳴(ぜんめい)」が聞こえることがあり、夜間や明け方に症状が強くなる傾向があります。運動や冷気、ストレスなどで悪化することもあり、痰が絡むこともありますが、感染力はなく、周囲にうつす心配はありません。

このように、百日咳は感染症であること、喘息はアレルギー性疾患であること、咳の出方や持続期間、感染リスクにおいて明確な違いがあります。咳が長引く場合は、原因を正確に見極めることが重要です。

■ なぜ間違いやすいのか?
大人の百日咳は、「典型的な症状が出にくい」ため、風邪や喘息と間違えやすいです。また、喘息の人が風邪をきっかけに百日咳に感染すると、症状がより複雑になります。

たとえば「喘息の治療を続けても全然良くならない」「咳だけが3週間以上続いている」といった場合は、百日咳を疑ってみるべきかもしれません。

■ どちらも専門的な診断が必要!
自己判断では、どちらかを見分けるのは非常に難しいです。
だからこそ、咳が長く続くときは早めに呼吸器内科や耳鼻科、小児科などで診てもらうことが大切です。百日咳は、抗菌薬が必要な細菌感染症。喘息とは治療アプローチがまったく違います。

【まとめ】
「咳が続く=喘息」と思い込まずに、百日咳という選択肢も視野に入れてみましょう。特に咳が2週間以上続く、夜間に強まる、ゼーゼー音がしないのに苦しい、というときは要注意です。

早期診断・早期治療が、あなた自身の健康はもちろん、周囲の人を守ることにもつながります。
「たかが咳」と甘く見ず、違和感があれば迷わず当院へお越しください。

この記事の編集者

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まえだ小児科の院長の前田正人(まえだまさと)です。 当サイトの記事は私が執筆・監修をしております。 何か気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください。

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